2013年5月3日金曜日

gloom

Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 gloomは「暗がり」(darkness)、「薄暗がり」(dimness)、また精神的に「憂鬱な状態」(a state of melancholy)を指す。カタカナ読みは「グルーム」。景気の「先行き不透明」を表す言葉としてよく使われる。
 最近、頻繁に見かけるのがglobal gloom(地球規模の暗さ)。ウォールストリート・ジャーナル(2011年9月6日付)は、“Global gloom dents Asia shares”(世界経済の先行き不透明感からアジアの株式市場が下落)と報じた。dentは「ガツンとやってへこませる」。では、gloomの実態は何か?“Investors were unable to shake off worries about Europe's debt woes and the health of the U.S. economy.”(欧州の債務危機とアメリカ経済の状況について、投資家が懸念を払拭しきれなかった)ということ。景気は「気の持ちよう」とはよく言ったもので、worries(複数形、心配)が背後にある。
 また、ロスアンゼルス・タイムズ(2011年9月9日付)は、“Key member of Europe central bank quits, adding to economic gloom”(欧州中央銀行のキーマンが辞任、経済の先行き不透明に追い打ち)と報じた。ユルゲン・シュタルクECB専務理事が、イタリア、スペインの国債買い上げに反対して突如辞任。シュタルク氏はドイツ出身の主任エコノミストだっただけに、辞任は欧州債務危機の最後の砦の動揺を示唆。そのため、外国為替市場でユーロは売られ大きく値を崩した。
 さて、英国BBCは2011年9月4日、“Company profits defy economic gloom”(企業収益は経済の先行き不透明に挑戦する)とのレポートで、世界の経済ニュースに関して、“So it's all tales of doom and gloom, right?”(それでは、すべてお先真っ暗の話ばかりか、本当に?)と問いかけた。アップル社をはじめ、社会のニーズを先取りする企業は収益を上げているし、どんな環境でも生き残っていく企業はある。ことわざに言う。“The gloom of the world is but a shadow. Behind it, yet within our reach, is joy.”(世界の暗さは影に過ぎない。背後には、なお手の届くところに喜びがある)

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