2013年2月7日木曜日

airborne 空からの攻撃は防ぎようがない

Illustrated by Kazuhiro Kawakita

 airは「空気」「空中」であり、borneはbearの過去分詞(注:ただし「生まれる」の意味ではbornと綴る)。airborneは、“carried by or through the air”(空気によって、または空中を運ばれる)という意味の形容詞である。初出は17世紀で、鳥などが空を飛ぶことを指したが、20世紀になって飛行機が登場すると、それにも使用。さらに、軍隊の空挺部隊などを指すようになった。
 2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、世界中が心配しているのが“airborne radiation from Japan”(日本から飛来する放射性物質)。“Everyday the news stations discuss the effects of airborne radiation drifting overseas.”(毎日のようにニュースメディアは、海外に流れて行く空中放射性物質の影響について議論している)という状況。太平洋を挟んだ米国の西海岸などでも、空中の放射線量の監視を続けているとされる。もっとも、NPR(米公共ラジオ)は5月17日、“Airborne radiation poses minuscule risk for U.S.”(空中放射性物質は米国にとって極少のリスク)と報じた。「放射性物質を運ぶ雲が汚染源となるが、西海岸までは遠く離れているので、その量は少ない」と専門家は話しているという。
 空中を飛んで来るものは、防ぎようがない。そのよい例がairborne allergen(空中アレルゲン、英語の読み方は「アラジャン」)、つまり空気中に飛散してアレルギー(allergy、同「アラジー」)を引き起こす物質のこと。花粉症(pollen allergy)が最もよく知られているが、tree(樹木) grass(草) weed(雑草) hay(枯れ草)などが原因になり、airborne allergy(空中飛散物質によるアレルギー)と総称される。対策は、“Reduce your exposure to airborne allergens, such as pollens.”(花粉のような空気中のアレルゲンへの露出を減らすこと)。一番よいのは、“Stay indoors. Keep windows and doors closed.”(屋内にいて、窓や戸を閉めておくこと)。これは、airborne radiation の対策でもあるようだ。
 さて、airborne attack(空からの攻撃)が成功したのが、米軍特殊部隊による国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者の急襲作戦。パキスタン北部アボタバードにあった隠れ家を5月初め、4機のヘリコプターで襲撃し、40分の銃撃戦の末に同容疑者を殺害したという。オバマ大統領は、ケンタッキー州フォートキャンベルにある米軍のThe 101st Airborne Division(第101空挺師団)を訪問。ポリティコ(2011年5月6日付)によると、“Paying tribute to the special teams who brought down Osama bin Laden, President Barack Obama told thousands of cheering troops here, ‘Job well done.’”(ウサマ・ビンラーディンを倒した特殊部隊に敬意を払うとともに、大統領は当地で喜びにわく数千人の部隊に「よくやった」と語った)と述べている。(June 6, 2011)

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