2012年7月15日日曜日

relaxation drink



 relaxationは「リラックスさせること」。drinkは「飲み物」。relaxation drink は、“A nonalcoholic drink formulated to help promote relaxation and relieve stress.”(リラックスを助け、ストレスを和らげるように調合されたノンアルコー飲料)という。日本語では「リラックス・ドリンク」とでも呼べるだろうか。
  そんなものが本当にあるのだろうか?
 ABCは2011年8月7日、“The Truth About 'Relaxation' Drinks”(リラックス・ドリンクの真実 )のレポートで、“More than 350 varieties of so-called relaxation drinks have hit the shelves, with revenues expected to reach $73 million this year.”(いわゆるリラックス・ドリンクと呼ばれるものは全米で350種類が棚に並び、市場規模は7300万㌦に達すると予想される)という。
 そこで挙げられている商品は、Unwind(ときほぐす)、宣伝文句は "Ultimate Relaxation"(究極のリラックス)▽ MiniChill(ミニ・チル)、chillはrelaxのこと。"Dr. formulated to make you feel calm, focused, and happy" (あなたをくつろがせ、集中力を高め、幸せにするために、ドクターが調合)▽RelaxZen(本当の禅)、"Promotes sleep, wake refreshed, reduce stress"(ぐっすり眠れて、目覚めは爽快、ストレス解消)▽Dream Water
(夢のウォーター)、"Drink to dream" (飲んで夢見る)▽Mary Jane's Relaxing Soda(マリー・ジェーンのリラックスするソーダ)、"Enjoy euphoric relaxation that's all natural, plain and simple"(夢のようなくつろぎを楽しんで、すべて自然で純粋、そしてシンプル)など。
 実は、多くの消費者は、これらの商品名や宣伝文句につられてドリンクを買って飲んでみる。すでに、心はいやしを求めており、暗示にかかりやすく、placebo(プラシーボ)効果は大きい。
 ところで、その成分はmelatonin(メラトニン)、 hops(ホップ)、linden(リンデン)、kava extract (カバジュース)、valerian(カノコソウ) L-theanineなど。
 ほとんどは、placebo効果以上の効き目はないようだが、問題はmelatonin。動物のホルモンの一種で、脳の松果腺から分泌される。メラトニンは睡眠と深い関係があり、血中濃度は、昼間は低く、夜は高くなる。また、子供は分泌量が多く、恒例になるほど少なくなる。米国ではsupplementとして販売され、不眠や時差ぼけの解消に用いられている。だが、メラトニンはやはり薬である。ドリンク剤として飲む代物ではないのだ。とくに、ドライバーや子供が飲むと大きな危険をともなうので、医者は注意を呼びかけている。
 どうしても、relaxation drinkを飲みたい人は、成分表示をよく確かめた上にすること。

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