2011年10月6日木曜日

anti-gay


Illustrated by Kazuhiro Kawakita

anti-は「反対する」という意味の接頭辞。日本語でも「アンチ○○」という。gayはhomosexual(同性愛)のこと。anti-gayは「同性愛に反対する」「同性愛敵視の」という形容詞。カタカナ読みは「アンティゲイ」または「アンタイゲイ」。
ニューヨーク・タイムズ(2010年10月8日付)は、“Lured Into a Trap, Then Tortured for Being Gay”(罠に誘われ、同性愛者であることを理由に拷問される)との記事を報じた。10代の2人を含む3人の男性が、10~20代の男9人のグループに、ニューヨーク・ブロンクスの一角にあるレンガ造りの家に誘い込まれ、同性愛を告白するまで何時間も暴行されたという。一方、AP通信(同日付)も“Anti-Gay Torture Allegations Stun Neighbors in NYC”(同性愛敵視の拷問容疑事件がニューヨーク市内の近隣住民に衝撃)と報道。すなわち、“Gay men and women live openly in the largely Hispanic neighborhood.”(同性愛者の男女が、近隣の大きなヒスパニック居住地に大っぴらに住んでいる)ためで、9人は逮捕されたが、同性愛者に対するhate crime(憎悪犯罪)に市当局は神経をとがらせているという。
AP通信(10月9日付)はさらに、“Suicide Surge: Schools Confront Anti-Gay Bullying”(自殺の波:学校が同性愛敵視のいじめに直面)というリポートを掲載。その中で、ルームメートに同性愛の行為を盗み撮りされた上、インターネットに映像を流されたラトガース大学の新入生がジョージ・ワシントン橋から投身自殺を遂げた―などの事例を挙げ
て、教育現場でanti-gay bullyingが新たな問題になり始めている、と指摘している。
アメリカでは、20世紀半ばからgay rights movement(同性愛者の権利擁護運動)が注目され、その後はsexual orientation(性的志向)による差別を撤廃する法律が各州で生まれた。また、coming out(同性愛者であることの告白)も盛んになる。21世紀に入ってからは、gay marriage(同性愛結婚)を法的に認めるかどうかが、政治的な焦点になっている。
その一方で、anti-gay movement(同性愛に反対する運動)も続いている。男女の結婚を家族制度の基本と考える人々は、gay marriageを法的に認めることに反対。さらに、キリスト教右派の人々は、同性愛を〝罪悪〟として糾弾するなど、保守派にはhomophobia(ホモフォビア=同性愛に対する嫌悪や恐怖)が根強い。
だが、anti-gayの感情が、拷問事件や学校でのいじめに発展する事態には、人権派だけでなく保守派の人たちの間でも憂慮する声が高まっている。
“This shouldn’t be a political issue any more. It’s a human issue that needs to be dealt with.”(これは、もはや政治問題とすべきではない。人道的問題として扱う必要がある)。その通りかもしれないが、解決への道は遠い。The Sankei Shimbun (November 1 2010)
PS :A modern Christian slogan expressing anti-gay view is "God made Adam and Eve, not Adam and Steve".

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